青森県立八戸北高で1日、外務省職員による講座が開かれた。三戸町出身で、同省大臣官房報道課上席専門官の奥正史さんが講師を務め、外務省の役割や国際理解の大切さを伝えた。[br] 奥さんは大学で中国語を修め、入省後は通算で約20年、中国の大使館などに勤務。2017年には日中国交正常化45年の記念イベントに「十和田バラ焼きゼミナール」などを中国に招いている。今回は新型コロナウイルスの影響を考慮し、オンライン形式で講座を実施した。[br] 講座で奥さんは、外務省職員を目指す条件として、「入省後は世界各地のあらゆる言語をそれぞれ習得する必要があるが、全ての基礎は英語。高校でも頑張って身に付けて」と強調。さらに「世界史は国際問題の背景が分かり、対外交渉には理系的な思考も重要だ」と学習の際のヒントも伝授した。[br] さらに今後の国際的関心事として、国連が定めるSDGs(持続可能な開発目標)に基づいた視野を持つようアドバイス。県内における国際交流の成果などを挙げ、「諸外国との交流なくして日本は成り立たない。八戸にいながらでも草の根の国際交流はできるから、八戸から世界に目を向けて」と呼び掛けた。[br] 参加した2年生約230人は、リモートでもやり取りしやすいよう、奥さんの質問に色紙を掲げて応じたほか、受講後には手製の横断幕を掲げ、奥さんに画面越しで感謝を伝えた。[br] 受講した成田凜さんは、「これからはグローバル化や多様化が一層進む。海外についてもっと知りたい」と今後の研さんを誓っていた。