【EM・ナンバーワン】八戸地域高度技術振興センター・松坂専務理事に聞く

「トップシェアを誇る地元企業が多いことを若者の地元定着につなげたい」と語る松坂洋司専務理事=6日、八戸市
「トップシェアを誇る地元企業が多いことを若者の地元定着につなげたい」と語る松坂洋司専務理事=6日、八戸市
産業都市・八戸を中心とした北奥羽地方には、世界や国内でトップシェアを誇る製品を生み出す工業系企業が多く存在している。産業支援機関「八戸地域高度技術振興センター」の松坂洋司専務理事(65)は、地域の“ナンバーワン企業”の魅力をアピールし、若年.....
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 産業都市・八戸を中心とした北奥羽地方には、世界や国内でトップシェアを誇る製品を生み出す工業系企業が多く存在している。産業支援機関「八戸地域高度技術振興センター」の松坂洋司専務理事(65)は、地域の“ナンバーワン企業”の魅力をアピールし、若年層の地元定着の促進につなげる重要性を強調する。[br] ―八戸地域の工業の特徴は。[br] 新産業都市の指定以降、八戸は紙・パルプ、鉄鋼、非鉄金属などの素材型産業が発展した。平成期に入って各業界の再編が進み、近年はデジタル化やグローバル化も進行したが、八戸地域の産業のベースは大きく変わらず、素材型産業が経済や雇用を支えている。 世界や国内でトップシェアを誇る地元企業は、こうした素材製造が多い。将来性を見極めた経営で時代の波に乗り、素材製造をベースにしながら新分野への参入に成功した企業もある。[br] ―地元にナンバーワン企業があるメリットは。[br] 素材型産業はBtoB(企業間取引)のため、一般的には認知度が低い。だが、その素材が有名なメーカーの製品に使われていることが分かれば注目度が高まり、人材の採用活動にもプラスに働くだろう。[br] トップシェアの企業が地元に多く存在することを発信し、UIJターン就職の促進や若年層の地元定着につなげたい。そうした企業があることは若い世代にあまり知られていない。ナンバーワンという強みは、学生・生徒に関心を持ってもらえる入り口にもなる。[br] ―認知度をアップさせるための有効策は。[br] トップ企業は高い競争力を有し、それぞれに魅力がある。ただ、認知度を高めるには地道な活動を続けていくことが重要で、高校生の保護者や教員に知ってもらう取り組みも大切だ。[br] 近年は企業側も情報発信の方法を強化、工夫するなど今までと違う採用戦略を展開している。トップ企業は若年層の定着率が高く、離職を減らす仕組みが整っているのも特徴の一つ。八戸地域高度技術センターとしても、企業と若者の橋渡し役となれるように、マッチングに力を入れていく。[br] ―八戸地域の工業の将来性をどう考える。[br] 世界的に見ても、素材型産業は日本経済の強み。その生産拠点が八戸に集積していることは、発展へのアドバンテージになる。[br] ナンバーワン企業はトップでいる間に次の展開も見据え、新たな開発を進めるなど競争力を高め続けている。そうした企業が多い八戸地域には、北東北のみならず、日本の産業を引っ張る力があるだろう。「トップシェアを誇る地元企業が多いことを若者の地元定着につなげたい」と語る松坂洋司専務理事=6日、八戸市