【超高齢社会の先へ】第3部 介護の未来(5・完)

介護の魅力発信サポーター隊は、高校や公民館などに出向いてレクチャーを行い、介護職のやりがいを伝えている(写真はコラージュ)
介護の魅力発信サポーター隊は、高校や公民館などに出向いてレクチャーを行い、介護職のやりがいを伝えている(写真はコラージュ)
介護業界は「3K(きつい、汚い、給料が安い)」というネガティブなイメージがつきまとっているために人材が集まりにくく、慢性的な人手不足が課題となっている。そんなイメージを払しょくしようと、青森県内の若手介護士らが立ち上がった。2015年11月.....
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 介護業界は「3K(きつい、汚い、給料が安い)」というネガティブなイメージがつきまとっているために人材が集まりにくく、慢性的な人手不足が課題となっている。そんなイメージを払しょくしようと、青森県内の若手介護士らが立ち上がった。2015年11月に「介護の魅力発信サポーター隊」を結成し、県内各地で地域住民や小中学生らに介護職の魅力や、やりがいを介護士自らの声で伝え続けている。目指すのはポジティブなイメージ「新介護の3K(希望、感動、可能性)」の定着だ。[br]   ◇   ◇[br] 「利用者の生活、人生、命に寄り添うのは介護士にしかできない仕事」と介護職の魅力を語るのは、八戸市の社会福祉法人スプリングが運営する特別養護老人ホーム「福寿草」の介護福祉士の佐藤琢磨さん(30)。サポーター隊として三八地域の小中学校や高校で講演する「出前レクチャー」などを通して、地域の子どもたちや住民らに現役の介護職ならでは視点で日々の仕事や、やりがい、介護の正しい知識を伝えている。[br] 命と生活に関わる仕事である以上、楽しいことばかりではない。レクチャーでは排せつ介助や利用者の「みとり」をする時の様子など、大変なことやつらい経験を話すこともある。「利用者の人生や生活の質を高め、支えていくのが介護士の仕事だということを伝えたい」と考えるからだ。[br] 15年にサポーター隊の初期メンバーとして活動を始めてから5年目。レクチャーを受けた学生らからは、「介護のイメージが変わった」「興味がわいた」など肯定的な声も増えてきているといい、活動の成果が確実に現れてきていると実感している。[br] 設立当初14人だったメンバーも4期生の加入により25人に増え、今では若手介護士の交流の場としての役割も担っている。サポーター隊4期生で同法人の介護士の森翔也さん(25)は「介護を通して利用者から学ばせてもらうことも多い。自分自身の成長につながっている」とやりがいを感じている。サポーター隊の仲間と共に、これからも介護職の魅力を自分たちの言葉で発信していくつもりだ。[br]   ◇    ◇[br] サポーター隊は、介護業界のネガティブイメージを変革しようと、県老人福祉協会が県内の介護施設に勤務する若手介護士に呼び掛け、設立した。主に小中高生や大学生ら若い世代を対象に介護現場の雰囲気や仕事を発信することで、早いうちから介護職をより身近に感じ、興味を持ってもらいたいとの思いからだ。[br] 設立以降、学校での出前レクチャーや地域イベントへの参加、フェスティバルの開催に取り組んできた。同協会の前田覚事務局長は「今後もこつこつと地道な活動を積み重ね、明るい介護のイメージの定着を目指していきたい」と、サポーター隊の姿を見た子どもたちが将来の担い手になっていくことを願っている。介護の魅力発信サポーター隊は、高校や公民館などに出向いてレクチャーを行い、介護職のやりがいを伝えている(写真はコラージュ)