十和田市、8月上旬にも新渡戸家を提訴へ/記念館問題、建物明け渡し求めて

十和田市議会は29日、臨時会を開き、旧市立新渡戸記念館について、建物を所有する市が、土地と主な資料を有する新渡戸家を相手に、建物の明け渡しを求めて提訴する議案を、全会一致で可決した。市は早ければ8月上旬にも青森地裁十和田支部に提訴する。 同.....
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 十和田市議会は29日、臨時会を開き、旧市立新渡戸記念館について、建物を所有する市が、土地と主な資料を有する新渡戸家を相手に、建物の明け渡しを求めて提訴する議案を、全会一致で可決した。市は早ければ8月上旬にも青森地裁十和田支部に提訴する。[br] 同館を巡っては、耐震強度不足を理由に2015年に廃止条例が可決。新渡戸家側は撤回を求めて提訴したが、最高裁が上告を棄却し、廃止を妥当とする判決が確定した。今月には、同家側が耐震性の再検査などを求めて申し立てた民事調停が不成立に終わった。[br] 市は訴訟で、新渡戸家側に建物の明け渡しのほか、同館廃止が決定した15年7月から明け渡しが完了するまでの賃料相当額として、1カ月当たり4万1834円の支払いを求める。[br] 質疑では議員側から、収蔵資料の保管の必要性についての質問があり、小山田久市長は「市にとって大変貴重な資料を将来に引き継がなければならない。安全な場所で保管する必要があり、苦渋の決断に至った」と答えた。[br] 議会後の取材に、小山田市長は「危険な建物であると判決が出ている。訴訟は本意ではないが、資料を守る手段」と強調。同家側は「訴状が届いたらコメントしたい」としている。[br] 臨時会ではこのほか、訴訟費用130万円を計上した2020年度一般会計補正予算案も可決した。