長引く梅雨/青森県南で農作物の生育遅れや障害 出荷量減、価格上昇

灰色カビ病が発生したピーマンの茎を取り除く上野行治さん=22日、八戸市尻内町
灰色カビ病が発生したピーマンの茎を取り除く上野行治さん=22日、八戸市尻内町
長引く梅雨による日照不足で、青森県南地域の農作物に生育の遅れや病気の発生が確認されている。ピーマンやトマト、ニンジンなどの野菜で影響が大きく、出荷量が減少している。市場価格は上昇傾向で、小売店では少量販売に切り替えるなどの対応に追われる。7.....
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 長引く梅雨による日照不足で、青森県南地域の農作物に生育の遅れや病気の発生が確認されている。ピーマンやトマト、ニンジンなどの野菜で影響が大きく、出荷量が減少している。市場価格は上昇傾向で、小売店では少量販売に切り替えるなどの対応に追われる。7月いっぱいは、ぐずついた天気が続く予報で、関係者は天候の行方に気をもんでいる。[br] 「これが灰色カビ病。胞子が飛んで実が腐ったりするから怖いんだ」。22日、八戸市尻内町の畑で、八戸農協ピーマン専門部八戸支部長の上野行治さん(73)は、変色したピーマンの茎を次々と取り除いた。多湿な環境で発生しやすい病気で、念入りにわき芽を落とし、風通しを良くする工夫をしているが、長雨で完全に防ぐことは難しいという。[br] 県内は夏季のピーマンの大産地で、県南では八戸市や南部町、三戸町などで栽培が盛ん。7~9月が最盛期だが、今年は日照不足で肥大が進まないことに加え、病害による廃棄も多く、出足は鈍い。[br] 気象庁のデータによると、6月下旬~7月中旬の八戸の日照時間は計108時間で、平年値の77%にとどまる。日照不足による野菜の出荷量減は全国的な傾向で、市場価格にも影響が出ている。[br] 卸売会社・八戸中央青果によると、7月の取り扱い実績は前年同期比で、ピーマンが数量10%減に対し単価が30%高、トマトが数量12%減の単価10%高などと、果菜類を中心に品薄、高値傾向にある。[br] 仕入れ値の高騰に、小売店は頭を悩ませている。市内のある青果店の責任者は「高すぎて仕入れできない野菜もある。お客さんの負担感を減らすよう、パックを少量に切り替えたりして乗り切っているが、早く入荷量と価格が安定してほしい」と話していた。灰色カビ病が発生したピーマンの茎を取り除く上野行治さん=22日、八戸市尻内町