八戸・新大橋/既設橋の撤去費用が約16億円の見通し 年度内撤去へ

既設橋の撤去工事が進む新大橋。橋脚は残り3基となった=7月中旬、八戸市沼館側から市の許可を得て撮影
既設橋の撤去工事が進む新大橋。橋脚は残り3基となった=7月中旬、八戸市沼館側から市の許可を得て撮影
八戸市の沼館地区と八太郎・河原木地区を結ぶ「新大橋」の架け替え事業で、既設橋の撤去費用が約16億円に上る見通しになったことが17日、市への取材で明らかになった。撤去は計画通り2020年度に完了予定で、新設橋は25年度末の供用開始を目指す。一.....
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 八戸市の沼館地区と八太郎・河原木地区を結ぶ「新大橋」の架け替え事業で、既設橋の撤去費用が約16億円に上る見通しになったことが17日、市への取材で明らかになった。撤去は計画通り2020年度に完了予定で、新設橋は25年度末の供用開始を目指す。一方、新大橋は八戸の経済活動を支える重要なインフラだが、市は現在も新設橋の工法について検討を進めており、総事業費は未定。新型コロナウイルス感染症の経済対策などで市の財政に余裕がない中、工期短縮と財源のバランスを踏まえた協議が今後の焦点となりそうだ。[br] 市道路建設課によると、馬淵川に架かる市道沼館小田線の新大橋は1955年に架設。老朽化により、18年度に架け替え計画に着手した。新設橋の供用開始は当初、27年度の予定だったが、市民から工期短縮の要望を受けて橋の構造を見直し、期間を2年短くした。[br] 工事開始に伴い、市は19年度から八戸ガス前交差点―八太郎交差点の約600メートルを全面通行止めにした。期間は整備事業が完了するまでの約7年間にわたる。[br] 既設橋の撤去工事は19年度にスタート。橋桁(はしげた)などの上部工を撤去したほか、全部で12基ある橋脚は9基を取り外した。20年度は残る3基を撤去する計画だ。[br] 19年度の後半からは、並行して新設橋の整備にも着手した。全長は約300メートルで既設橋と変わらないものの、両側の歩道はそれぞれ1メートルから2メートルに拡幅。片側1車線の車道は3・25メートルずつにやや広げ、路肩は0・5メートルずつを確保する。 豪雨や台風の時季は河川増水の危険性が高く、市は6~10月の間は堤防内の工事を休止するが、現在は仮の堤防を設置した上で、橋の上部工を両端で支える橋台の工事を進めている。新型コロナの感染予防対策を講じ、作業員の健康状態にも留意しているという。[br] 市は新設橋の工法について、国などの関係機関と協議中。同課の畠山智課長は「本年度は撤去工事が完了する節目。予定された工事を着実に実施していく」と強調。工期に関しては「財源とのバランスを考えながら、できるだけ短縮できるように検討を進めていきたい」との考えを示した。[br] 一方、新大橋は港湾部や商業エリアにつながるルートで、通行止めにより人の往来や物流が変化した。メインの迂回うかい路となる沼館大橋の周辺では、市が渋滞緩和対策を施した効果もあって目立ったトラブルは起きていないが、朝の通勤時間にはやや渋滞も見られる。[br] こうした状況を受け、各企業は対応を進めている。資材をトラックで運送する地元製造業者の関係者は「混雑が予想される通勤、帰宅ラッシュの時間帯はなるべく沼館大橋を通らないようにした。今は大きな影響を受けていないが、新大橋はできるだけ早く完成させてほしい」と話した。既設橋の撤去工事が進む新大橋。橋脚は残り3基となった=7月中旬、八戸市沼館側から市の許可を得て撮影