高校生の就職戦線にもコロナの影響じわり/求人減少、選考延期…県外から地元に切り替える生徒も

採用担当者(左)の話に真剣に耳を傾ける生徒たち=15日、青森県立百石高
採用担当者(左)の話に真剣に耳を傾ける生徒たち=15日、青森県立百石高
新型コロナウイルスの感染拡大が来春卒業する高校生の就職活動にもじわりと影響を及ぼしている。企業の採用選考開始時期の1カ月延期が決まったほか、景気悪化の懸念から青森県内の事業所では例年に比べて求人票の提出が鈍く、最終的な求人総数は昨年と比べて.....
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 新型コロナウイルスの感染拡大が来春卒業する高校生の就職活動にもじわりと影響を及ぼしている。企業の採用選考開始時期の1カ月延期が決まったほか、景気悪化の懸念から青森県内の事業所では例年に比べて求人票の提出が鈍く、最終的な求人総数は昨年と比べて3割ほど減少する見通しだ。首都圏を中心に感染が拡大する傾向を踏まえ、生徒が就職先を県外企業から県内企業に切り替える動きも。異例の就職戦線に各公共職業安定所や学校は生徒が希望の職種に就けるようフォローに力を注ぐ構えだ。[br] 青森労働局職業安定課によると、求人票の受け付け初日の6月1日に求人を申し込んだ県内の事業所は90社(前年比42・3%減)、求人数は409人(30・4%減)。受け付け初日の受理件数だけで判断するのは難しいものの、事業所数、求人数とも過去5年で最少となり、新型コロナの影響が色濃く出ている状況が浮き彫りとなった。[br] 求人数を業種別に見ると、生産工程が53人(67・3%減)と大幅減。サービスも109人(9・2%減)と出足が鈍く、新型コロナで利用客が減少した宿泊業や遊技業などの求人が少ない傾向にあるという。[br] 例年9月16日に始まる採用選考開始が10月16日にずれ込むなど、通常とは異なるスケジュールで生徒に戸惑いが広がる中、7月1日に求人票が公開になったことを受け、県内の高校では就職に向けた進路指導が本格化してきた。[br] 県立百石高(中村豊校長)では15日に校内で企業説明会を開催。県内の小売業や飲食業など10社がブースを設け、就職を希望する3年生約70人が参加した。[br] 進路指導を担当する木村育教諭によると、例年に比べて求人票が少なく、特に観光や宿泊業関連の求人で厳しい状況が続く。採用スケジュールの変更に対し、生徒に大きな動揺はないというが、都市部での感染拡大を受け、「両親と相談して就職希望先を県外から県内に切り替える生徒も少なからずいる」という。[br] 県内で事務系職種への就職を目指す3年の男子生徒(18)は「コロナの中でも地元に就職できるようしっかり頑張りたい」と着々と準備を進める構え。仙台市で調理系職種への就職を希望する3年の女子生徒(17)は、採用選考開始が1カ月延びたことについて「時間がある分、面接練習をして、夢をかなえたい」と力を込めた。[br] 高校生の厳しい就職環境を踏まえ、同労働局は学校向けの企業紹介動画を配信して、企業とのマッチングを促すとともに、事業者側にも早期の求人提出を求める方針。同労働局の槇公彦地方職業指導官は「希望職種に就けるよう関係機関と連携して支援していきたい」と話している。採用担当者(左)の話に真剣に耳を傾ける生徒たち=15日、青森県立百石高