青森少年鑑別所への相談増、本来業務化で/19年は最多135件

少年の非行防止に向け、相談業務に当たる青森少年鑑別所の職員(右)
少年の非行防止に向け、相談業務に当たる青森少年鑑別所の職員(右)
少年非行の防止に向け、少年鑑別所職員が保護者や学校から相談を受ける「地域援助」の件数が青森県内で伸びている。2015年6月に少年鑑別所法が施行され、5年が経過。法整備により、本来業務として位置付けられたのを機に増加傾向となり、19年は最多の.....
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 少年非行の防止に向け、少年鑑別所職員が保護者や学校から相談を受ける「地域援助」の件数が青森県内で伸びている。2015年6月に少年鑑別所法が施行され、5年が経過。法整備により、本来業務として位置付けられたのを機に増加傾向となり、19年は最多の135件に上った。青森少年鑑別所(青森市)は「潜在的な需要はあると感じている。長年蓄積してきたノウハウを生かし、さまざまなニーズに対応していきたい」と強調。早期の対応で、非行や家族間の問題解決につなげたい考えだ。[br] 少年鑑別所は全国52カ所に設置されている法務省管轄施設。事件を起こした疑いがある少年が、家裁の観護措置決定を受けて収容される。滞在期間中は面接や心理検査をし、非行の背景の鑑別を職員から受ける。[br] 県内の刑法犯による少年の検挙者数は減少傾向で、県警によると19年は134人(前年比75人減)だった。青森少年鑑別所の収容人数も10年前と比べて半数以下に減少。鑑別所が持つ専門知識を地域に役立てる余裕も出てきた。[br] 同所では法務教官や心理アセスメントを専門とする法務技官が、保護者や学校関係者、児童福祉機関からの相談に応じている。[br] 同所によると、相談件数は法整備前は年間10件程度だったが、16年69件、17年117件、18年113件、19年135件と増加傾向。19年の相談の内訳を見ると、窃盗や暴言、暴力の「非行・問題行動」が7割を占め、しつけなどの「家族関係」が2割と続いた。[br] 少年の問題行動の減少につながった事例もある。「息子の暴力に悩んでいる」と母親が相談に訪れたケースでは、家庭でのコミュニケーションの取り方を見直す必要性が浮上。両親を交えて面接を重ねる中で、「どんなときに感情的になるか」ということに本人が気付くようになり、改善が見られたという。[br] 同所では、親から虐待を受けた少年に対する「トラウマ(心的外傷)ケア」の仕方など、新たな技能習得により地域援助の充実を図っている。佐々木貴弘統括専門官は「家庭内で問題行動を解決するのは大変なこと。悩んでいる人がいればまずは相談してほしい」と呼び掛けている。[br] 地域援助を利用したい場合は、法務少年支援センターあおもり=電話017(723)6677=へ。少年の非行防止に向け、相談業務に当たる青森少年鑑別所の職員(右)