クマの目撃情報相次ぐ 市街地に出没も/青森県南、今春以降  

青森県南地方で今春以降、クマの目撃が相次いでいる。市中心街の道路を横切るクマ=5月20日、十和田市
青森県南地方で今春以降、クマの目撃が相次いでいる。市中心街の道路を横切るクマ=5月20日、十和田市
青森県南地方で今春以降、クマの目撃情報が相次いでいる。5月だけで前年度全体を上回るペースの自治体もあり、人や作物への被害は確認されていないものの、市街地に出没するなど住民生活を脅かしかねないケースもあった。自治体や地元の猟友会などは「クマが.....
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 青森県南地方で今春以降、クマの目撃情報が相次いでいる。5月だけで前年度全体を上回るペースの自治体もあり、人や作物への被害は確認されていないものの、市街地に出没するなど住民生活を脅かしかねないケースもあった。自治体や地元の猟友会などは「クマが街中に慣れてしまうのが一番怖い。夏に向けて作物ができてくるとさらに活発になるため、大きな被害にならないか心配だ」と神経をとがらせている。[br] 地域ごとにばらつきがあるものの、八戸市の1月から6月12日までの目撃件数は22件で、前年同期比の約2倍、七戸町も5月1日から6月12日までに計17件で約3倍に上っている。[br] 六ケ所村では5月だけで19件を記録。前年度全体の8件を既に大きく上回っており、村関係者は「驚いている。村の中心部に出たこともあり、例年とは明らかに違う」と強調する。[br] 三沢市では、今年初めて目撃された5月18日から6月17日までに16件(前年同期は0件)を確認。市消防本部付近など住宅地での目撃も相次いでおり、市の担当者は「これだけ続いたのは初めてだ。市街地の目撃も聞いたことがない」と話した。十和田市でも5月下旬に初めて市中心街で目撃された。[br] 本年度は市街地での目撃が増えていることに加え、出没時期が早いのが特徴。関係者によると、例年、作物ができ始める7月以降に目撃が相次ぐが、5月だけでこれほど目撃されるのは珍しいという。[br] 六ケ所村猟友会は、今年が暖冬だったことが要因の一つと指摘。雪解けが早くてクマの目覚めの時期が早まったことで、山菜などが十分に育っておらず、餌が確保できない状況にあるという。このため、人里に餌を求める“出稼ぎ状態”に陥っているとみられる。同会会員の男性は「クマの頭数自体も年々増えてきている。それも重なって目撃が増えているのでないか」と推測する。[br] 今後はデントコーンや飼料用米などクマが好む作物が育ってくるため、自治体は食害などへの警戒を強める。関係者は「状況をしっかりと見極め、住民にも注意を呼び掛けていきたい」と気を引き締めている。青森県南地方で今春以降、クマの目撃が相次いでいる。市中心街の道路を横切るクマ=5月20日、十和田市