コロナで受診、服薬やめないで 電話で診療、処方薬宅配/八戸市と周辺町村

八戸市などでは医療機関と薬局が連携し、電話診療による薬の処方に取り組む(写真はイメージ)
八戸市などでは医療機関と薬局が連携し、電話診療による薬の処方に取り組む(写真はイメージ)
新型コロナウイルス感染を避けるため、重症化リスクが高いとされる高齢者や基礎疾患のある患者らが、医療機関の受診をためらうケースが目立っている。安易な受診控えや服薬の中断は、持病の悪化を招く恐れがあることから、八戸市や周辺町村では、地元医療機関.....
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 新型コロナウイルス感染を避けるため、重症化リスクが高いとされる高齢者や基礎疾患のある患者らが、医療機関の受診をためらうケースが目立っている。安易な受診控えや服薬の中断は、持病の悪化を招く恐れがあることから、八戸市や周辺町村では、地元医療機関と薬局が連携して対応。慢性的な疾患で継続的に服薬が必要な患者らに対して電話で診療し、処方薬を自宅などに届ける新たな体制を構築した。関係者は「自宅に居ながら診療や薬の処方を受けられる」として活用を呼び掛けている。[br] 複数の医療機関によると、市内では新型コロナの影響が深刻になるにつれ、「感染が怖い」として、受診を避ける高齢者や基礎疾患のある患者らが増えているという。[br] 同市下長の高木クリニック院長で市医師会の高木伸也会長は、心筋梗塞や脳卒中、糖尿病などの患者には継続的な治療が必要で「自己判断で服薬をやめてしまうのは非常に危険」と警鐘を鳴らす。[br] 新型コロナ対策の一環として、国が診療や処方箋の取り扱いに関する特例的な指針を示していることに触れ、「再診で体調に変化がない患者の場合は電話での診療も可能。まずは相談してほしい」と強調する。[br] 電話診療で薬を処方する新たな取り組みは、国の指針に基づく。八戸薬剤師会と市内の医療機関は3月末ごろから体制づくりに着手。従来は医療機関からもらった処方箋を患者が薬局に持参して薬を受け取っていたのに対し、今回の特例的な体制では、医療機関が薬局へ処方箋をファクスなどで送信し、薬局はそれをもとに調剤できるようにした。[br] 新たな体制導入の効果について、同薬剤師会の山田文義会長は、患者の薬局での待ち時間を最小限にできると指摘。さらに、薬局によっては患者の自宅に直接薬を届けたり、代理人を通して薬を渡したりするなどの対応も可能となり、患者は外出することなく薬を受け取れることを挙げる。[br] 薬の説明や服薬指導については電話を活用しており、患者自身はもちろん、医療従事者や薬局スタッフらの感染リスクを大幅に抑えられるのもメリットという。[br] 「薬剤師は薬の処方だけでなく、手指消毒など公衆衛生についても豊富な知識がある」と山田会長。「処方薬以外でも、体調が悪い時の対処法などについてもアドバイスできる。気軽に相談するなど薬局を上手に活用してほしい」と話している。八戸市などでは医療機関と薬局が連携し、電話診療による薬の処方に取り組む(写真はイメージ)