【新型コロナ】苦境逆手にICT促進 オンラインで町教育研究大会も/三戸

初めてオンラインで開かれた三戸町学校教育研究大会。新型コロナウイルスの感染拡大で教育活動が制限される中、町教委は情報通信技術の活用を進めている=4月下旬、同町役場
初めてオンラインで開かれた三戸町学校教育研究大会。新型コロナウイルスの感染拡大で教育活動が制限される中、町教委は情報通信技術の活用を進めている=4月下旬、同町役場
新型コロナウイルス感染症の影響で教育現場の活動が制限を受ける中、三戸町教委(友田博文教育長)が苦境を逆手に取り、情報通信技術(ICT)の活用促進に取り組んでいる。例年は町内の教育関係者約100人が一堂に会す町の学校教育研究大会を今春はオンラ.....
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 新型コロナウイルス感染症の影響で教育現場の活動が制限を受ける中、三戸町教委(友田博文教育長)が苦境を逆手に取り、情報通信技術(ICT)の活用促進に取り組んでいる。例年は町内の教育関係者約100人が一堂に会す町の学校教育研究大会を今春はオンラインで実施し、双方向のウェブ会議も開催。感染防止を図りながら、実施時期が2020年度内に早まった国の「GIGAスクール構想」の円滑な環境整備を狙う。[br] 「今回、試行的に各学校などともオンラインで結びました。今後も創意工夫をお願いします」[br] 4月下旬、町役場4階の大会議室で、友田教育長がカメラに向けて呼び掛けた。町役場を配信元に、町内3小学校と2中学校をつなぐオンラインでの研究大会。各校では教職員がパソコン画面を通じて教育長の講話に耳を傾けたほか、自己紹介や意見交換を行った。[br] 新型ウイルスの感染防止のため、教育関係者が集まる市町村ごとの教育大会は各地で中止が相次いだ。一方、三戸町は町内全小中学校で小中一貫教育を実施しており、同大会は「一貫教育の内容や意義を共有する重要な機会」(町教委)であることから開催を模索。動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」のLive機能とビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使う方法を採用した。[br] 講話ではあえて紙の資料を用意せず、画面上に資料を表示してペーパレス化にも取り組んだ。友田教育長は「ICTを活用すれば、教科ごとの会議や情報共有のスピードアップが図れる。オンライン大会は苦境を乗り越えるとともに、教育の広げ方を考えるきっかけにもなる」と力を込める。[br] 町がオンライン活用を進めたのは、国が「GIGAスクール構想」を大幅に前倒ししたことも一因だ。[br] 同構想は当初、2023年度までに全国の小中学校に児童生徒が1人1台のパソコンを使える環境を整備することを目指していたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う全国的な休校措置を踏まえ、20年度中に可能な限りの配備を目指すことになった。[br] 学校の設備やパソコンの整備に加えて必要になるのが、教職員の機器活用の技術向上だ。町教委小中一貫教育班の馬場幸治班長は「オンライン大会を通じて、健康観察や授業にも使えるという可能性を感じてもらえたのではないか」と指摘。「仮に新型コロナの第2波、3波があった時は、子どもたちの学びの保障にもつながる」と語り、「GIGAスクール構想」の推進にも意欲を見せた。初めてオンラインで開かれた三戸町学校教育研究大会。新型コロナウイルスの感染拡大で教育活動が制限される中、町教委は情報通信技術の活用を進めている=4月下旬、同町役場