新型コロナと人権、沼田会長「教訓問い直すべき」「助け合いの力発揮を」と訴え/青森県人権擁護委員連合会

「差別や偏見の過ちは繰り返してはならない」と語る沼田徹会長=28日、青森市
「差別や偏見の過ちは繰り返してはならない」と語る沼田徹会長=28日、青森市
全世界で猛威を振るう新型コロナウイルス。その影響は社会経済のみならず、人権にも及ぶ。感染した人や医療・介護従事者の中には偏見や差別的な言動に苦しみ、生活を脅かされている人もいる。6月1日は「人権擁護委員の日」。青森県人権擁護委員連合会長で弁.....
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 全世界で猛威を振るう新型コロナウイルス。その影響は社会経済のみならず、人権にも及ぶ。感染した人や医療・介護従事者の中には偏見や差別的な言動に苦しみ、生活を脅かされている人もいる。6月1日は「人権擁護委員の日」。青森県人権擁護委員連合会長で弁護士の沼田徹氏(61)=青森市=は、感染症の発生で似たような状況が生まれた過去を踏まえ「教訓を問い直すべきだ」と強調。コロナ禍を乗り越えるため、「助け合いの力を発揮して」と訴える。[br][br] ―感染者や医療従事者への偏見や差別が見られる[br] 青森県内でもクラスター(感染者集団)が発生した十和田市の施設に誹謗ひぼう中傷の電話があったと聞いている。そのような行為は決してあってはならない。[br] 感染症を理由とした差別や偏見は、これまでも薬害エイズやハンセン病などで見られ、私たちの社会は間違いを犯してきた。その教訓を問い直し、過ちを繰り返してはならない。[br] 医療や介護の現場では、社会的責務を果たそうと一生懸命に働いている。攻撃はもってのほかで社会的な理解と支援が必要だ。[br] ―インターネットを中心に他者を傷つける言葉が社会に広がった[br] 自分の言葉に対して責任と想像力を持つべきだ。匿名性を隠れみのにして、やぶから石を投げるような行為は卑劣だ。「自分も攻撃される側になるかもしれない」という気持ちを忘れず、他者をいたわるようにしてほしい。[br] ―新型コロナとの戦いは長期化が予想される[br] 新型コロナとは共存していかなければならない。過度に恐れず、冷静に学ぶことが差別や偏見をなくする第一歩になる。[br] 人間は一人では何もできない弱い生き物。だからこそ社会をつくり、互いに助け合って生き延びてきた。今こそ社会が持つ助け合いの力を発揮すべきだ。[br] ―全国で緊急事態措置が解除され、人の往来が自由になった。気を付けるべきことは[br] 感染者が多い地域から青森へ来る人への差別や偏見は、むしろこれから本格化するのではないかと思う。差別や偏見を受け「苦しい、困った」と感じた時は、誰かに相談することで問題は解決に向かう。[br] 県内各市町村に約250人いる人権擁護委員にはアンテナを高くし、困っている人のシグナルをキャッチしてもらいたい。「差別や偏見の過ちは繰り返してはならない」と語る沼田徹会長=28日、青森市