サッカーの古豪、最後のシーズンに全力「誇りを持って戦う」/青森県立五戸高サッカー部

残る大会に向けて練習に励む五戸高サッカー部の選手たち=今月中旬、五戸町 
残る大会に向けて練習に励む五戸高サッカー部の選手たち=今月中旬、五戸町 
青森県立五戸高サッカー部は全国高校選手権8強の実績もある古豪だ。県立高校再編で21年度末の閉校が迫る中、部単独の大会出場は本年度が最後。この一年に懸ける部員らの思いは強かったが、年間目標の一つ・全国高校総合体育大会(インターハイ)は新型コロ.....
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 青森県立五戸高サッカー部は全国高校選手権8強の実績もある古豪だ。県立高校再編で21年度末の閉校が迫る中、部単独の大会出場は本年度が最後。この一年に懸ける部員らの思いは強かったが、年間目標の一つ・全国高校総合体育大会(インターハイ)は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止された。選手たちは失意を乗り越え、今秋の高校選手権県予選に照準を切り替えた。「五戸高の誇りを持って戦う」―。栄光に彩られた同部の歴史に花を添えるべく、地域の期待を背に、大会開催を信じて決意を新たにしている。[br] 「もっと周りを確認しよう」「こっちがフリーだ」―。今月12日、同部の練習場「八幡ケ丘グラウンド」。部員は盛んに声を掛け合い、パス回しをしていた。今年のチームは3年生11人と2年生3人の計14人。部員数は決して多くはないが、チームのために体を張ってプレーできる選手がそろっているのが強みだ。[br] サッカー部が産声を上げたのは1957年。創部以来、県高校サッカー界をリードし、63年の歴史の中で優勝は高校選手権県大会が24回(定時制含む)、県高校総体は15回。85年度は、手倉森誠さん(J2長崎監督)・浩さん兄弟や現監督の三浦豊さんらを擁して全国高校選手権ベスト8に進出。鮮烈な印象を残し、全国に「五戸高」の名をとどろかせた。[br] 五戸町民にとって同校は“サッカーのまち”を象徴する存在で、華々しい歴史に憧れを抱いて入部する部員も多い。3年榎本叶翔(かなと)主将(17)=町立五戸中出=もその一人。「ずっと五戸で育ってきて、偉大な先輩たちへの憧れは強かった」[br] 閉校には一抹の寂しさを感じているが、脈々と受け継がれてきた五戸高のプライドを胸に残る大会に臨む。「まずは選手権の県予選ベスト4を目指し、日々、良い準備をしていきたい」と力強い。[br] 3年佐々木勇心(ゆうむ)副主将(18)=三沢市立第二中出=は、入学後に町内のサッカー熱の高さに驚かされたという。「大きな大会になると、OBや町の人たちが応援に来てくれる。サッカーに対しての思い入れを感じるし、選手たちも力をもらっている」と感謝。背中を押してくれる人たちのためにも、今後の大会で全力を出し尽くすべく、厳しい練習に汗を流している。[br] “黄金期”を知る三浦監督は「厳しいところで足を伸ばしてシュートブロックしたり、体をぶつけたりする“泥くささ”が五戸の伝統だ」と強調。「OBや町民、仲間のためにも、最後まで諦めないプレーを見せてほしい」と、部として最後のシーズンに挑む教え子にエールを送っている。残る大会に向けて練習に励む五戸高サッカー部の選手たち=今月中旬、五戸町