自粛疲れ癒やす農業 コロナ禍で三八地域「唯一の楽しみ」の声も

夫と食用菊の植え付けに励む尾﨑道子さん(左)。農作業が自粛疲れの癒やしになっている=1日、八戸市尻内町の八戸市市民農園  
夫と食用菊の植え付けに励む尾﨑道子さん(左)。農作業が自粛疲れの癒やしになっている=1日、八戸市尻内町の八戸市市民農園  
「ステイホーム」に「3密回避」、「ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)」…。新型コロナウイルス感染防止のための行動制限が続き、息苦しさを感じている人々の心を、農業が癒やしている。三八地域の園芸店や産直施設では、来客数が減る中でも種苗は一定.....
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 「ステイホーム」に「3密回避」、「ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)」…。新型コロナウイルス感染防止のための行動制限が続き、息苦しさを感じている人々の心を、農業が癒やしている。三八地域の園芸店や産直施設では、来客数が減る中でも種苗は一定の売り上げを保っており、八戸市市民農園でも連日、市民が野菜や花の植え付けに精を出している。「どこへも安心して出掛けられず、畑が唯一の楽しみ」との声も聞かれ、自粛疲れのストレス解消に一役買っている。[br] 園芸用品を幅広く取り扱うパセリー菜八戸本店には4月下旬、トマトやナス、スナップエンドウなどの苗がずらりと並んでいた。熊野大介店長は「いつもは常連客がほとんどだが、今年は家族連れや若い人が多い印象。『何か始めたい』と相談する人もおり、苗選びや育て方をアドバイスしている」と語った。[br] 今年は来店客の密集を避けるため、例年行っているセールのチラシ配布を取りやめた。それでも地元農家が丹精込めて育てた苗は「丈夫でよく育つ」と人気で、大型連休前に買い求める客が次々と訪れていた。[br] 南部町の産直施設「なんぶふるさと物産館」でも、苗はまずまずの売れ行きで、品ぞろえについての問い合わせも増えたという。担当者は「感染の終息が見通せない中、少しでも食べ物を自分で育てておきたい、という思いもあるのでは」と推測した。[br] 八戸市尻内町にある市民農園は、4月19日にオープンした。1日、夫(79)と食用菊の苗を植え付けていた同市長苗代の尾崎道子さん(73)は、「家にいても気がめいるし、感染が怖くて外出もできない。畑に来れば体を動かせるし、いい気分転換になる」と笑顔を見せた。[br] 感染拡大の原因となる「3密」になりにくいと思われる農園でも気を緩めず、トイレを使用した際は必ず手を消毒し、“畑仲間”とも離れて会話しているという尾崎さん。ダイコンやジャガイモ、ニンジンなども育てる予定で、「感染が治まり、孫と一緒に収穫できれば」と終息を願っていた。夫と食用菊の植え付けに励む尾﨑道子さん(左)。農作業が自粛疲れの癒やしになっている=1日、八戸市尻内町の八戸市市民農園