【全国で緊急事態宣言】「もう限界」「何我慢すれば…」/北奥羽住民悲鳴

緊急事態宣言が全国に拡大されることを伝えるニュースを見る市民=16日午後7時ごろ、八戸市の「マチニワ」
緊急事態宣言が全国に拡大されることを伝えるニュースを見る市民=16日午後7時ごろ、八戸市の「マチニワ」
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全都道府県に対象地域が広がった政府の「緊急事態宣言」。感染者が相次いで確認された青森県内では、「今は団結するしかない」と理解を示す声がある一方、今後さらなる“制約”が課される可能性もあるだけに、「もう限界.....
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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全都道府県に対象地域が広がった政府の「緊急事態宣言」。感染者が相次いで確認された青森県内では、「今は団結するしかない」と理解を示す声がある一方、今後さらなる“制約”が課される可能性もあるだけに、「もう限界だ」「これ以上何を我慢すれば」と悲鳴も。休業要請が出た際の補償や、学校休校による学力低下などを懸念する声も多い。いまだ感染者ゼロの岩手県内でも警戒は強まっており、張り詰めた緊張感が北奥羽地方を包んでいる。[br] 八戸市湊町の男性会社員(45)は「国難に今は全員で挑まなければいけない。団結しなければ、ますます感染が広がってしまう」と危機感を募らせる。「ただ、仕事もどうなってしまうのか、今後のビジョンも描けない。なんとか耐えるしかないのか…」と話した。[br] 南部町大向の団体職員男性(64)は「自宅待機というわけにはいかず、仕事に行かないといけない。ただ、感染のリスクをどう下げるかは考えなければ」と予防の徹底を図る考え。五戸町内に住む40代の男性看護師は「今の段階で既に多くの人が不要不急の外出を控えているのに、これ以上行動を制限されるのはつらいというのが正直なところだ」と本音を明かす。[br] 八戸市では、市内で感染者が確認されてから、飲食店への客足が遠のいている。同市長横町の居酒屋「蛯澤商店」店主の蛯澤康成さん(51)は「休業を要請するなら、国なり自治体なりが補償をすべきだ」と指摘。「市も国任せにするのではなく、はっきりと道筋を示してほしい」と注文を付けた。[br] 長引く学校の休校による影響も懸念される。「自宅で勉強をさせるにも限界を感じている。学校と違って運動量が格段に少なく体力面も心配」と話すのは、八戸市内の小学校に通う子どもを持つ母親(33)。休校が約1カ月半に及んでおり、「こんなに休みが続くと、子どもの成長に影響が出てしまうのでは」と不安をこぼす。[br] 岩手県は全国で唯一感染者が確認されておらず、県北の住民の心境は複雑な様子。久慈市中央1丁目で居酒屋を経営する男性(59)は「全国的に拡大しているので、感染がないとはいえ、岩手だけ特別というわけにはいかない」と理解を示しつつ、「宣言によって今後、客足はさらに減るだろう。補償の見通しもはっきりしないし、店はぎりぎりまで続けるしかない」と困惑していた。緊急事態宣言が全国に拡大されることを伝えるニュースを見る市民=16日午後7時ごろ、八戸市の「マチニワ」