【新型コロナ】青森ねぶた祭が初の中止 人出200万人超、経済に影響

中止を決断した経緯を説明する奈良秀則実行委員長=8日、青森市
中止を決断した経緯を説明する奈良秀則実行委員長=8日、青森市
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、開催の可否を検討していた今年の青森ねぶた祭について、青森市などでつくる実行委員会(委員長・奈良秀則青森観光コンベンション協会会長)は8日、中止を正式に決定した。日本を代表する夏祭りとして知られるねぶた祭が.....
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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、開催の可否を検討していた今年の青森ねぶた祭について、青森市などでつくる実行委員会(委員長・奈良秀則青森観光コンベンション協会会長)は8日、中止を正式に決定した。日本を代表する夏祭りとして知られるねぶた祭が、現在の名称になった1958年以来、中止は初めて。奈良委員長は「中止による経済的損失や影響を考慮しても、やりきる対策と根拠がない」と理解を求めた。[br] ねぶた祭は8月2~7日に開催。勇壮なねぶたが市中心街を練り歩き、ハネトと呼ばれる参加者が掛け声とともに乱舞し、青森県の短い夏を彩る。昨年は国内外から285万人が訪れ、県内の観光や経済に大きな影響を与えている。[br] 新型ウイルスの影響を受け、同委員会が3月下旬から開催の可否を検討していた。[br] 8日、市内で開かれた実行委の会合には、小野寺晃彦市長や青森商工会議所の若井敬一郎会頭ら委員約50人が出席。席上、奈良委員長が祭りの中止を提案し、満場一致で決まった。[br] 中止に踏み切った理由について、奈良委員長は「(新型ウイルスの感染が)夏までに終息状態になったとしても、祭りを強行した場合に新たな発生源となる可能性は大きい」と説明。運行団体には同日までにアンケートで意見を聞いたが、中止に反対する団体はなかったという。[br] 会合終了後、小野寺市長は「青森で育った人間としても、市長としても悔しい思いだ」と心情を吐露。ねぶたの展示を求める市民の声もあり、奈良委員長は「主催団体が中心となり、できることを協議していきたい」と話した。[br] ねぶた師の立田龍宝さん(34)は取材に対し、「4月下旬にはねぶた小屋に入る予定で制作準備を進めてきた。今年は雪も少なく、作業が順調に進んでいただけに残念だ」と肩を落とした。中止を決断した経緯を説明する奈良秀則実行委員長=8日、青森市