【新型コロナ】「感染誰だ?」ネットにデマ、うわさ 電話殺到で業務に支障も

新型コロナウイルスの感染者が確認された八戸市内。悪質なデマや行為が広がり、市民の間にも一層の混乱や困惑が広がっている=25日、市内
新型コロナウイルスの感染者が確認された八戸市内。悪質なデマや行為が広がり、市民の間にも一層の混乱や困惑が広がっている=25日、市内
八戸市内で新型コロナウイルスの感染者が確認されたことを受け、混乱や動揺、困惑、怒りなどさまざまな感情が市民に広がっている。インターネット上では感染者の詮索が行われ、スペインに渡航していない地元の会社経営者が疑われるケースが発生。感染者の八戸.....
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 八戸市内で新型コロナウイルスの感染者が確認されたことを受け、混乱や動揺、困惑、怒りなどさまざまな感情が市民に広がっている。インターネット上では感染者の詮索が行われ、スペインに渡航していない地元の会社経営者が疑われるケースが発生。感染者の八戸到着後の経路を知ろうとタクシー会社などへの電話での問い合わせが殺到し、業務への支障が生じる事態にも発展している。嫌がらせとみられる無言電話を受けた旅行会社も。悪質なデマなどの行為は名誉毀損や業務妨害などの罪にも問われかねない。トイレットペーパーなどの紙製品不足に振り回されたケースがあったばかりでもあり、冷静な判断や落ち着いた行動が求められる。[br]  □      □[br] 「感染したっていう噂が流れている」。初の感染者が判明した23日夜以降、市内のタクシー会社社長の男性に身に覚えのない話が浮上した。情報源は投稿サイトとされる。男性は利用していないため、周囲から教えてもらった。最初の感染者が会社経営者だったため、渡航していない他の経営者らもネット上でさらされている現状を知った。[br] 噂がいつの間にか真実かのように語られることに恐怖を感じた。会社にも「そんな社長がいるタクシーは信じられない。もう使わない」などの電話が寄せられている。最初の感染者がタクシーで帰宅したことも相まって、業務の足かせともなっている。[br] 新型ウイルス感染拡大で厳しい会社経営が続く中、海外旅行をしている余裕はない。「こんな状況なのに、感染者をあぶりだすことに懸命になっている人たちがいるということにがっかりだ」とあきれ果てる。「会社を守るためにも、行政にはデマの対応も何とかお願いしたい」と話した。[br]  □      □[br] さらなる感染拡大の警戒心から、感染者の行動履歴を知ろうとする市民も少なくない。地元の医療機関を受診したこともあって、内科系の医院にも「感染者が来院しなかったか」といった問い合わせがあった。[br] その矛先は旅行会社にも。「そちらで企画した旅行なのか」「なぜこの時期に海外へ連れて行ったのか」との電話が多く、無言電話やワンコールだけで電話を切る行為もあるという。[br] 感染者が出国した9日はスペインへの渡航制限がなかったが、その後、同国で感染者が爆発的に拡大したこともあり、同社の担当者は「予想も付かないスピードで広がったため、国の規制が間に合わなかったのでは」と現状をみる。[br] 市保健所内の「帰国者・接触者相談センター」にも「感染者は誰なのか」「使用した交通手段や時間は」などの問い合わせが多いという。感染疑いのある人のために設けられた機関だが、本来の目的と異なる電話内容が多くなっており、センター側も困惑気味。「このままでは必要な人に迅速に対応することができなくなる。落ち着いた行動をお願いしたい」と呼び掛ける。新型コロナウイルスの感染者が確認された八戸市内。悪質なデマや行為が広がり、市民の間にも一層の混乱や困惑が広がっている=25日、市内