「下北から甲子園」の夢 再び持ち越し

三回裏、光星のスコアボードに「8」の数字がともった。準決勝まで、粘り強く最少失点に抑えて終盤に逆転してきた大湊にとっては、まさかの展開。踏み込んで内角の球を打ち、外角は逆らわずに対応する相手打線に「焦りから球が浮いてしまった」と先発の高塚耕.....
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 三回裏、光星のスコアボードに「8」の数字がともった。準決勝まで、粘り強く最少失点に抑えて終盤に逆転してきた大湊にとっては、まさかの展開。踏み込んで内角の球を打ち、外角は逆らわずに対応する相手打線に「焦りから球が浮いてしまった」と先発の高塚耕大。焦りはやがて力みをなり内角を狙った結果が死球に、外角の変化球は見極められて四球につながった。  押し出し後、なおも満塁のピンチで高塚の後を受けた主戦小谷真勇も強力打線の圧力を受けた。低めに集めて打ち取る投球が持ち味だったが、やはり見極められた。「今までの相手が手を出した球も振らなかった」。さらに押し出しと失策で追加点を許すと、焦りから外角を狙った直球が甘く入り、痛打された。  その後は粘り強く投げたが、四回と八回にも失点。打線も今まで手を出さなかったボール球に手を出すなど10三振。安打数は光星と同じ8だったが、大量失点が響き、走者を犠打で送れず、併殺などで好機をつくれなかった。  敗戦後の閉会式、スコアボードの「8」をずっと眺めていたという工藤公治監督。「県大会の決勝にふさわしい試合をしたかった。後半につなぐ采配ができなかった。三回が分かれ目になった」と悔しさをにじませた。  強豪私立を次々と下す快進撃と、最後にぶつかった大きな壁。勝つ喜びと負ける悔しさの双方を味わった。「下北から甲子園」の夢は再び持ち越しとなったが、「一戦一戦気持ちを強く持って戦い、決勝までこられた。日頃から真剣に取り組んでいれば、チャンスはまた来る」と小谷。手応えと雪辱の思いを後輩に託し、“粘りの大湊”は再スタートを切る。 [right]2016年夏季県大会・決勝 八学光星 VS 大湊[/right]