施設の維持管理費が増大、財政圧迫要因に/八戸市当初予算案

八戸市の2020年度一般会計当初予算案では、大型施設の建設事業費が減少した一方、施設の維持管理費は膨らんだ(写真はコラージュ。上は市立屋内スケート場、下は市総合保健センター)
八戸市の2020年度一般会計当初予算案では、大型施設の建設事業費が減少した一方、施設の維持管理費は膨らんだ(写真はコラージュ。上は市立屋内スケート場、下は市総合保健センター)
980億円で過去3番目の高水準となった2020年度の八戸市一般会計当初予算案。市中心街などの大型建設事業が落ち着き、前年度比78億円の減少となった一方、市立屋内スケート場の運営費を当初見込みより約1億円多い3億円と見積もるなど、公共施設の維.....
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 980億円で過去3番目の高水準となった2020年度の八戸市一般会計当初予算案。市中心街などの大型建設事業が落ち着き、前年度比78億円の減少となった一方、市立屋内スケート場の運営費を当初見込みより約1億円多い3億円と見積もるなど、公共施設の維持管理費が増大した。予算案には、市中心街の主要施設で計6億円超、6月に田向地区にオープンする市総合保健センター分なども含めると計8億円を超える維持管理費が盛られており、経費の膨張が財政を圧迫する傾向が強まっている。[br] 「そもそもの見通しが甘かったのではないか」。市の当初予算案が公表された翌々日、2月20日に開かれた市議会総務協議会。屋内スケート場の維持管理費が大きく膨らんでいることに、市議の一人が市幹部を追及する場面があった。[br] 昨年9月にオープンしたスケート場で、市は当初、年間約2億円の運営費が掛かり、収入を差し引いた市の持ち出しは約1億円との見通しを示していた。[br] しかし、供用開始後に光熱費を中心に必要経費が想定を上回ることが判明。市は20年度予算案に3億円の運営費を計上した。[br] 小林市政の大型公共施設の建設を巡っては、市が財源として起債償還(借金返済)時に国が一部を肩代わりする「有利な起債」を活用している―と強調する一方、建設後に生じる維持管理費の増大には、将来負担の増加などから強い懸念が示されてきた。[br] 新年度予算案では、建設事業費は前年度から約3割減少したが、はっちに約2億3千万円(前年度当初比3千万円増)、マチニワに4700万円(900万円減)、ブックセンターに約4800万円(100万円減)と運営費が盛られており、スケート場分を含めると、市中心部の施設だけで計約6億2500万円を計上。[br] ほかにも、多賀多目的運動場6千万円、6月にオープンする市総合保健センター分として新たに1億3千万円を盛り込んでおり、主要施設で維持管理費が膨らみ、財政の重荷となっている。[br] 市中心街に建設中の新美術館が開館すると、さらに億単位の経費が掛かるとの見通しも。2月20日の同協議会では、屋内スケート場の運営費増大に関する対応などに関して答弁した複数の市幹部は、「収入の確保に努める」「施設のマネジメントを徹底する」など、苦しい答弁に終始した。八戸市の2020年度一般会計当初予算案では、大型施設の建設事業費が減少した一方、施設の維持管理費は膨らんだ(写真はコラージュ。上は市立屋内スケート場、下は市総合保健センター)