青森県は20日、2020年度一般会計当初予算案を発表した。総額は前年度比2・5%増の6816億円で、2年連続のプラス予算となった。一体編成した244億2364万円の補正予算案を合わせた実行予算ベースの比較では3・6%の増額となった。19年度から5カ年の県基本計画「『選ばれる青森』への挑戦」に基づき、人口減少対策を最重要課題としてソフト事業に注力する。財政不足を補う基金の取り崩し「ゼロ」は4年連続で達成し、収支均衡を維持した。[br] プラス要因を見ると、消費税率引き上げに伴う地方消費税関連支出が大幅に増加。高等教育無償化や後期高齢者医療に関する社会保障施策経費、国の「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための3か年緊急対策」に基づく公共事業関係費の確保も総額を引き上げた。[br] 県基本計画の推進事業は490事業(事業費計約327億円)で、経済活性化や県型地域共生社会の実現に取り組む。このうち人口減少対策では実施計画「第2期まち・ひと・しごと創生県総合戦略」(20~24年度)に基づき441事業(約293億円)を展開。若者や女性の定着、還流、結婚・出産・子育てしやすい環境づくりを進める。[br] 歳入は県税が3・7%増の1467億9824万円。法人県民税や軽油引取税などが前年度を下回ると想定される一方、消費税率引き上げなどによる増収が見込まれ、全体としては前年度を上回った。[br] 地方消費税清算金は18・3%増の602億8945万円。臨時財政対策債(赤字地方債)と合わせた実質的な地方交付税は0・3%増の2314億2800万円と見積もった。核燃料物質等取扱税は0・7%減の192億4200万円。[br] 県債は0・9%減の622億4100万円。防災・減災・国土強靱化緊急対策事業債は60億1700万円と前年度から倍増したが、臨時財政対策債の減額などで発行総額は7年連続で減った。[br] 歳出は義務的経費が0・1%増の2911億1575万円。このうち人件費が0・7%増の1653億4099万円、公債費が0・4%減の1060億8179万円。投資的経費は1232億5976万円と横ばいだった。[br] 公共事業関係費は、国の緊急対策に基づく事業費を確保した結果、5・4%増の712億7284万円。普通建設事業費全体では公共事業関係費が増えた一方、八戸市の屋内スケート場整備事業の完了などで微増にとどまった。[br] 三村申吾知事は同日の会見で「歳入に合わせて最大の効果を上げる施策を盛り込んだ。財政規律を丁寧に守って県政を進める」と述べた。