1期生、社会に羽ばたけ 八戸高等支援学校産業科から初の卒業生

産業科の生徒は卒業後の一般就労を目指し、実践的なカリキュラムに取り組む(写真はコラージュ)
産業科の生徒は卒業後の一般就労を目指し、実践的なカリキュラムに取り組む(写真はコラージュ)
青森県立八戸高等支援学校(大崎光幸校長)の産業科は今春、初の卒業生を社会に送り出す。普通科と、一般就労を目指して専門的なカリキュラムに取り組む「産業科」を併設した県内初の特別支援学校として2017年4月に開校。産業科1期生となる16人は3年.....
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 青森県立八戸高等支援学校(大崎光幸校長)の産業科は今春、初の卒業生を社会に送り出す。普通科と、一般就労を目指して専門的なカリキュラムに取り組む「産業科」を併設した県内初の特別支援学校として2017年4月に開校。産業科1期生となる16人は3年間、清掃や接客、食品加工など就業に必要な知識や技術を、地域の事業所や住民の協力を得ながら実践を通して学んできた。卒業生の大多数の就職先が決まり、春からは社会の一員として大きな一歩を踏み出す。[br] 県立八戸第二養護学校から分離移転する形で開校。産業科では、一般の高校生が学ぶ国語や数学などの教科に加え、就労に必要な知識や技術などの職業教育を行っている。[br] コースは、パソコンによる文章作成や在庫管理などを学ぶ「オフィスサービスコース」、食品加工や接客を実践する「フードサービスコース」、清掃技術を身に付ける「環境サービスコース」の三つがある。1年生で全コースの基礎を学び、2年生から適性や希望に応じていずれかのコースを選択して専門性を高める。[br] 同科では技能向上だけでなく、社会との関わり方を身に付けることも目標に掲げる。生徒がパン製造や接客を行う月1度の校内カフェ「Cafe 854(はちこうし)」で地域住民と交流を図り、公民館や事業所で清掃業務の実習を行うなど校外の活動も積極的に取り組んできた。[br] 同科主任の佐藤邦子教諭は「地域の人から褒められたり注意されたりと、客観的に評価されることも大切な経験」と狙いを語る。[br] 開校当初から、実習を受け入れている市水産科学館マリエントの吉井仁美館長は生徒の仕事ぶりを見て、「清掃の技術力は高く、まるでプロ集団」と感嘆。まじめに仕事に取り組む姿にほれ込み、同科の生徒1人を採用した。「一緒に働くのが楽しみ。伸び伸びと能力を発揮できる環境を整えたい」と声を弾ませる。[br] 工業系の事業所に就職する中森光大さん(18)は「みんなでコミュニケーションを取りながら学習できた。就職先でも頑張りたい」と意欲十分。水産加工の事業所に就職する中村龍さん(18)は「勉強や経験したことを就職先で生かしたい」と表情を引き締める。中野大貴さん(18)は食品加工の仕事に就く。「先輩社員の方に信頼されるように努力したい」と意気込む。[br] 佐藤教諭は「どのようなカリキュラムがいいのか試行錯誤の連続だった」と振り返りつつ、「卒業生は1期生として立派に成長してくれた。障害の有無に関わりなく社会の一員として信頼され、充実した生活を送ってほしい」と、巣立つ生徒にエールを送る。3月3日は卒業式。障害の壁を乗り越え、教え子が社会で活躍することを願っている。産業科の生徒は卒業後の一般就労を目指し、実践的なカリキュラムに取り組む(写真はコラージュ)