小正月行事「あんもっこ」 半世紀ぶりに復活/久慈・侍浜町

あんもっこの登場に大泣きする子ども=8日、久慈市侍浜町
あんもっこの登場に大泣きする子ども=8日、久慈市侍浜町
秋田県男鹿半島の「ナマハゲ」、洋野町や野田村に残る「なもみ」に似た行事で、鬼に扮(ふん)した住民が子どものいる家々を回る「あんもっこ」が、久慈市侍浜町でおよそ半世紀ぶりに行われた。1975年ごろには途絶えたとされた風習だが、住民有志で組織す.....
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 秋田県男鹿半島の「ナマハゲ」、洋野町や野田村に残る「なもみ」に似た行事で、鬼に扮(ふん)した住民が子どものいる家々を回る「あんもっこ」が、久慈市侍浜町でおよそ半世紀ぶりに行われた。1975年ごろには途絶えたとされた風習だが、住民有志で組織する「侍~はまおど塾~」(林崎和志塾長)が8日夜、復活させた。人口減少が進む中、子どもという地域の宝が健やかに成長してほしいと願い、来年以降も続けたい考えだ。[br] あんもっこの由来には諸説あるが、「あんも」はお化けや妖怪など恐ろしいものの意味で、かつては侍浜町内の各地でも行われていたという。[br] 地域づくりに取り組む同塾のメンバーが、昨年秋ごろから復活を模索。当時を知る高齢者の話を聞きながら、衣装を用意するなど準備を進めた。資料がなかったため、現代風のアレンジも加えて実現にこぎ着けた。実施日は旧暦の小正月に合わせた。[br] この日はあらかじめ希望のあった5軒を訪問。太鼓を打ち鳴らしながら、赤鬼と侍の格好をした3体が勢いよく“乱入”し、雄たけびを上げた。突然現れたあんもっこに子どもたちは大泣き。「好き嫌いはないか」「親の言うこと聞いてるか」などと責められると、「良い子にします」と絶叫していた。[br] 同塾は事前に保護者からアンケートを取り、子どもの名前や怒ってほしい内容を把握。激怒、真面目、朗らかの3コースを選べるようにするなど、復活に当たって以前にはなかった試みも取り入れた。[br] 激怒コースを選んだ介護士の久慈未佳さん(30)方では、長男大智君(侍浜小1年)と次男環太ちゃん(2)が大泣きし、効果てきめん。久慈さんは「期待通りの迫力だった。しつけになるので今後も続けてほしい」と、二人をなだめながら笑っていた。[br] 住民の上々な反応に、手探りだったメンバーも自信を深めた様子。林崎塾長は「子どもたちが予想以上に怖がってくれて励みになった。希望するお宅が増えるかもしれないので、来年はさらにパワーアップさせたい」と、新たな伝統に意欲を見せていた。あんもっこの登場に大泣きする子ども=8日、久慈市侍浜町